ゆく年くる年

小さいことはいいことだ 2019年12月13日(金)~2020年1月14日(火)

■大きいことはいいことだ♪ といふCMソングが流行ったのはいつ頃のことだったか 大きな志ってのはええけど欲望の肥大化は決して人を幸福にせえへんとわかってしまった21世紀にわれらはどのやうに生きたらええんやろとそれぞれが考えを深めることが大切ぢゃろぢゃろ桜賛てなことでゆく年くる年小さいことはええことやの小品をしみじみ愛でて欲しい心ナノよ

厚川文子(陶)

植松永次(平面)

加藤尚子(ガラス)

白石ちえこ(写真)

中野真典(絵画)

田中雅樹(ガラス)

寺田一行(版画)

日々を重ねる思想の散歩

山福康政×山福朱実展 2019年11月15日(金)~12月3日(火)

■企画展に寄せて

 北九州の市井の印刷屋の山福康政さんの仕事は 一般的にはほとんど知られていないと言ってもいいかもしれません しかし彼の残したグレイトな著書「昭和庶民絵草史・ふろく」は1980年代初頭に五木寛之をはじめ井上ひさし 武田百合子らの同世代の作家達に高い評価を受けました その著書に書かれた内容は敗戦後に生まれたベビーブーマァ世代にも地続きで懐かしい原っぱの風を届けてくれると共に 期せずして文明批評にもなっているのでした

敗戦後九州には炭坑のエネルギィ問題があり 水俣病という恐るべき社会の病の周辺に集う文学者や活動家の隆盛が山福康政さんに少なからぬ影響を与えたやうに思います 娘の朱実さんが石牟礼道子さんの著書「水はみどろの宮」の挿画をなされたのも九州という場所の持つ熱量にうながされたのでせうか

場所と人々のエネルギィが上野英信さんの「追われゆく坑夫たち」や石牟礼道子さんの「苦海浄土」はた又山福康政さんの「昭和庶民絵草史・ふろく」を生み出したやうに思います  文明の下り坂を感じずにはいられない現代にこそ 市井の山福康政さんのやうな志と芯のある表現者が求められているのでせう 心からそう思ふ♪ と前川清の歌が後押ししてくれているやうだ

この機会に是非 山福康政さんと朱実さんの仕事に触れていただければ幸ひです 秋空にからだの穴を裏がえす

◉展示作品

山福康政…『昭和庶民絵草史・ふろく』原画、デザインも手がけた地元の店や幼稚園の広告などガリ版屋時代の印刷物、挿画をつとめた『天籟通信』、未発表の油絵ほか多数

 

山福朱実…『ヤマネコ毛布』『水はみどろの宮』原画、新聞連載のカットほか

 

◉プロフィール

山福康政 Yamafuku Yasumasa (1928ー1998)

広島市生まれ。1930年頃若松市に移住。

山福印刷を経営。48歳のときに脳血栓で倒れ右半身が不自由に。約2年間、

リハビリを兼ねて描いた作品「絵草紙・付録」を自費出版し注目を集める。

その後も挿絵、装丁、作品集の出版やエッセイなど、数多くの作品を遺す。

 

山福朱実(YAMAFUKU AKEMI)

1963年、福岡 北九州・若松の小さな印刷屋に生まれる。

1981年に上京、1986年頃よりイラストレーションの仕事をはじめ、

2004年に木版画制作に着手。主な木版画絵本は『ヤマネコ毛布』(復刊ドットコム)、

『砂漠の町とサフラン酒』(小川未明 作・架空社)、『ぐるうんぐるん』(農文協)、

『きたかぜとたいよう』(蜂飼耳 作・岩崎書店)、

物語の挿絵として『水はみどろの宮』(石牟礼道子 作・福音館書店)などがある。

 

公式HP http://nekoyanagioffice.wix.com/kinomikoubou

 

山福康政×山福朱実『日々を重ねる思想の散歩』展 関連企画

 2012年に放映された『花を奉る』石牟礼道子を通して近代の文明の病、水俣病を問い続けた不知火の言魂びと石牟礼道子さんを知ることは私たちが生きている21世紀の歪みを知ることでもありませう。石牟礼道子さんの『苦海浄土』や『椿の海の記』らは今や世界文学として高い評価を受けてますが、そのことを手ばなしではよろこべない現代と現実社会が横たわっています。今こそ心静かに石牟礼道子ワールドに触れていただきたいものです。ナノリウム

こちらも要予約です。
0555-24-2938
2019年11月19日(火)26日(火)
午前9時半~
2019年11月22日(金)29日(金)午後7時~
参加費 500円

 

大西暢夫写真展 ONISHI Nobuo

ひとりひとりの人 僕が撮った精神科病棟

2019年9月13日(金)~9月30日(月)

 

 思ひつくままに大西さんの写真絵本を手にとってパラパラと精神科病棟のひとりひとりの表情を見ていると 何だか幸福そうに見えるんですよ この世の喧騒からぬけ出たエアポケットのやうな空間にその人達は住んでいる あのノーベル賞の湯川秀樹博士の50年程前の発言に「先進国といふのは先に進むといふことやけど これからはゆっくり歩くといふ生活がええことになるんやないですか」といふのがあった。ふりかえって私達は先進国のままいまだ早い方がええといふ価値観でやれメールだリニアだとあくせく生きている 今朝の新聞の詩人山村暮鳥の言葉「人生はのろのろさにあれ のろのろと蝸虫(デデムシ)のやうであれ」と

 

 

 

 

関連企画 大西暢夫監督作品 【オキナワへいこう】上映会

9月26日(木)10時~、14時~、19時~ 3回上映

会場:リトルロボット(富士吉田市下吉田3-6-28)南インド料理 カリアムドゥ ランチタイム 11:30~13:30チケット前売り800円 詳しくはギャラリーナノリウムまで。

沖縄に学ぶ

2019年8月9日(金)~ 8月27日(火)

 ニューヨークタイムズ 元東京支局長マーティン・ファクラー氏の「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」を読んでいると こんな文章に出会った「大手メディアが報じない沖縄の姿にこそこの国が抱える問題が隠されているはずだ」と ウーム そりゃあそうだらうな 日本人が沖縄の基地問題をスルーしている限り真のシアワセは歩いてこない だからあるいていくんだねと水前寺清子も唄ってたもんなあ まぁそんな想ひをゆだねてキムホノさんに元気の出るこの世を喝破するやうな目ヂカラシーサーを作っていただいた 
沖縄の新聞や映画 本 島うた 泡盛などをチャンプルしつつ 沖縄のそれぞれにひきよせて頂ければソーキそばのメンソーレの心

 

 

キムホノさん在朗予定日 8月9日(金)

 

 

 

 

 

追悼 堀尾貞治展 不滅のホリオイズム

堀尾貞治 ✖ 山下克彦展 HORIO✖YAMASHITA

2019年6月7日(金)~6月18日(火)

堀尾貞治 作品展 HORIO Sadaharu

2019年6月21日(金)~7月16日(火)

神戸泣いてどうなるのかあ♪ 堀尾さんと初めての出会ひは1994年の秋だったか 神戸三宮の地下街だった あれから四半世紀 走るやうに歩く堀尾さんは お先に失礼と足早に行ってしまわれた それにしても現代美術といふものをこんなにわかりやすく楽しく伝える堀尾さんは 稀にみる美術家である 過去形で語らないのは「あたりまえのこと」が僕らの中で永遠に生き続けるからだ 本展では「あたりまえのこと 90年代の堀尾貞治」の中で学芸員の山本さんが「山下克彦・90年代の堀尾貞治を語るうえで彼の存在は欠かせない いや こう極論してもよいだろう この10年間の仕事はある意味で二人の共同作業であったと」うーむ何といふスバラシイ関係だらう 御存知のやうにその後二人の共同作業は続き 30年にも及んだ 思い出すのは2005年の横浜トリエンナーレの百均絵画BOXでの二人の絶妙なるセッションだ ジャズの名プレイヤーのアドリブのごとく あるいは漫才名人のような嬉々としたやりとりのそばに居合わせた喜びを忘れない そんなことでそれぞれの堀尾さんの思い出を持ち寄って 山下さんを囲んで楽しい時間を過ごしたいのココロなのよ

松田百合子展 MATSUDA Yuriko

2019年4月5日(金)~5月7日(火)

松田百合子さんの作品を四十年ほど見させてもらっていての思ひつくままの印象をならべてみたい 華麗 ユーモア エスプリ 宝物 品格 吸引力 夢 希望 風刺 温故知新 等々である とにもかくにも ひと目見れば百合子さんの作品だとわかる圧倒的な存在感は 上記の印象をシェイクした結果の極上なカクテルのやうだ その昇華された宝物感は伝統的な文様を使ひつつ 現代的にアレンジされた豊穣な時空の流れから生まれたやうに思えてならない そしてその陶格の高さは持って生まれた特質と 恩師富本憲吉氏からの見えない空気の伝播力によるものだらうか 私の稚拙な筆力ではとてもその魅力を表現することは出来ないが 常に好奇心の羽根を拡げる陶源郷への旅は まだまだ続くことだらう

きくちさかえ写真展

【福島に生きる】2019年3月15日(金)~3月26日(火)

福島に生きるといふことは、日本人のすべて、世界中の人々すべてが、原発の恐るべき虚構の果てと共に生きるといふことである。「人類の進歩と調和」は1970年の大阪万博のスローガンだったけれど残念ながら予想通り空しいスローガンと成り果てた。その万博会場跡にある国立民博の初代館長、梅棹忠夫氏は「進歩はアカンどうせ人間みたひなケッタイなもんアカンようになりまっせ」といふ重い言葉を残してくれた。はたして人類は進歩といふ怪物とうまく決別できるだらうか、、。深読みかもしれないが、写真の中の岸壁で赤ちゃんを抱いているお父さんや 芝生にしゃがんでいるお母さんには不安を払拭出来ない表情と見えてしまうのだが、、、。

政府は原発再稼働に向けて動いているが被災者の皆さんの心情は複雑ではないか。もう未来のクリーンなエネルギーではなくなったことが分かってしまった今、また再び恐るべき虚構の果てへと私たちは暴走するのだらうか。

あえて断言しておこう。国はこれまで以上に私たちを守らなくなるだらう。原発の安全は未来エイゴウ約束されないし、アンダーコントロールもされないだらう。愚か者である人間に進歩は不向きなのよソーリ殿。

 

きくちさかえオフィシャルサイト

 

もうひとつの富士アートコンテスト展

2019年度の作品大募集‼

2019年1月18日(金)~1月27日(日)

 

ふるってご参加くだされたし。

遠方の方もゼヒご参加ください。

いやはや早いぞ早いぞ1年は。ウチュウ的時間によれば我ら人類の一生なんてのはマバタキのよーな短いものなんだそーですな。よろこびもかなしみもみんな夢の中と唄われているやうにそれでも人生にはイロイロござるがまあ楽しい日々もあるわけでして どんな富士山が飛び出してくるのかってのも1年のはじまりの楽しみでありますよ。 常連参加のかたも 新しくもうひとつの富士にチョウセンしてくださる方も心よりおまちもうしあげまするぅ~~。

 

 

作品募集要項

①出品は1点。

②表現は自由形。絵画、写真。コラージュなどなど氣合の入ったのをオネガイ。

③作品の大きさはタテ60㎝ヨコ60㎝厚さは10㎝まで。

④立体の場合30㎝×30㎝の台にのっかるモノ。

⑤搬入締め切りは1月17日(水)までにナノ・リウムへご持参ください。

⑥出展料 500円

⑦最終日。1月17日(日)に一品持ち寄りパーテーを行います。

詳細は別紙にて。

ナノ・リウム 0555‐24‐2938